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インバウンド決済ガイド
タイの訪日観光客に対応する
キャッシュレス決済導入ガイド
タイは東南アジアでも有数のキャッシュレス先進国。K PLUS・TrueMoney Walletなど現地で使い慣れた決済手段に日本国内で対応する方法と、Alipay+による一括導入のメリットを解説します。
タイのキャッシュレス事情
タイは東南アジアの中でもキャッシュレス化が著しく進んでいる国の一つです。2016年にタイ中央銀行(Bank of Thailand)が統一QRコード規格「PromptPay」を導入したことを契機に、QRコード決済が都市部から地方・屋台レベルまで急速に普及しました。
タイのキャッシュレス決済比率は2021年時点で60%を超え、同時期の日本(30%台)を大きく上回っています。2025年時点でも比率はおよそ62%前後とされ、ASEAN地域でも頭ひとつ抜けた水準を維持しています。
主要決済サービスとその普及率
| サービス名 | 提供主体 | 特徴 |
|---|---|---|
| PromptPay | タイ中央銀行(国家規格) | 電話番号や統一QRコードで銀行間送金・決済が可能。屋台から大手チェーンまで全国的に普及 |
| K PLUS | カシコン銀行(KBank) | タイ大手銀行のモバイルバンキングアプリ。PromptPay機能を内包し、ユーザー数は1,000万人超 |
| TrueMoney Wallet | True(タイ大手通信会社) | 銀行口座がなくても電話番号で登録可能なEウォレット。コンビニやスーパーで広く対応 |
| クレジット/デビットカード | Visa・Mastercard・JCB等 | 都市部・観光地のホテルや百貨店で広く利用可能。地方や屋台では利用不可な場合が多い |
キャッシュレス化を進めた政策背景
タイ政府は2015年に「国家電子決済マスタープラン(National e-Payment Master Plan)」を閣議決定し、電子決済の普及を国家戦略として推進してきました。この政策の柱としてPromptPayが整備され、銀行間手数料の無料化や統一QR規格の策定が行われたことで、消費者・店舗の両方にとって導入のハードルが大きく下がりました。
タイ政府が国家戦略として電子決済の普及を推進。PromptPayの整備をはじめ、決済インフラの全国的な基盤づくりが進められました。
屋台から大手チェーンまで全国どこでも同じQR規格で決済できる仕組みが整い、銀行間送金・決済手数料の無料化も利用を後押ししました。
タイ政府観光庁(TAT)とカシコン銀行による訪日観光客専用Eウォレット「TAGTHAi」の提供が2025年より始まっています。
※ タイのキャッシュレス政策は自国民・自国居住者向けのインフラ整備が中心であり、短期訪日旅行者がこの仕組みにそのまま参加できるわけではない点に注意が必要です。
タイから日本への訪日観光客データ
タイは日本のインバウンド市場において重要な位置を占める東南アジア市場です。2025年の訪日タイ人数は約123.3万人(前年比7.3%増)、旅行消費額は約2,527億円で過去最高を更新しました。
訪日観光客数と年齢層
- 性別構成:女性 約59.8〜60.6%/男性 約39.4〜40.2%と女性主導の傾向
- 年齢構成:20〜39歳の若年〜中堅層が全体の約半数を占める
- リピーター率:2回目以降の訪日が約7割を占め、安定したリピート市場を形成
旅行目的
タイ人訪日客の約8割以上が観光・レジャーを目的としており、自然観光(山・湖等)、伝統文化体験、グルメ、温泉・旅館宿泊への関心が高い傾向にあります。
観光・レジャー目的が中心(全体の8割以上)。人気の関心領域は自然観光、伝統文化・工芸品、グルメ、温泉・旅館、テーマパークなど。平均滞在日数は約8泊と長期滞在型の傾向が強く、2〜5日間の滞在が最多となっています。
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
出典:観光庁「インバウンド消費動向調査2025年暦年の調査結果(速報)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_00071.html
支出傾向
2024年時点の訪日タイ人一人当たり旅行支出は約19.7万円、2025年には約20.7万円まで増加しています。買い物と宿泊が支出全体の約6割を占める点が特徴です。
| 費目 | 一人当たり支出 | 割合 |
|---|---|---|
| 買い物 | 62,322円 | 31.6% |
| 宿泊 | 60,734円 | 30.8% |
| 飲食 | 45,362円 | 23.0% |
| 交通 | 22,336円 | 11.3% |
| 娯楽・サービス | 6,234円 | 3.2% |
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html
キャッシュレス利用の実態
タイ国内では現金を持たない生活が当たり前になっているため、タイ人観光客は訪日時も日本国内でQRコード決済やモバイル決済の利用を期待する傾向があります。しかし日本のPromptPay・K PLUS・TrueMoney Wallet等は、原則としてタイ国内の銀行口座保有者向けに設計されたサービスであり、訪日時に日本国内でそのまま使えるとは限りません。
店舗側が自国のスマホ決済に対応していれば、来店のハードルが下がり客単価向上につながる可能性があります。タイ人観光客が「使い慣れた決済手段」で支払えることは、購買体験そのものの満足度にも直結します。
タイのモバイル決済サービスの紹介
タイの代表的なモバイル決済サービスとして、銀行系の「K PLUS」と通信会社系の「TrueMoney Wallet」が挙げられます。いずれもタイ国内利用者数が非常に多く、訪日タイ人観光客の主要な決済手段となっています。
| 項目 | K PLUS | TrueMoney Wallet |
|---|---|---|
| 提供元 | カシコン銀行(KBank) | True(タイ大手通信会社グループ) |
| 登録条件 | タイの銀行口座が必要(口座開設には長期ビザ等が必要) | 電話番号・パスポート等で登録可能。銀行口座は不要 |
| 主な用途 | PromptPay経由の送金・決済、ATM・振込 | スーパー・フードコート・コンビニ決済、チャージはセブンイレブン等から可能 |
| ユーザー規模 | 1,000万人超 | タイ国内で広く普及(通信契約者基盤を背景に拡大) |
いずれもタイ国内向けに設計されたサービスであり、単独では日本国内に直接の加盟店網を持っていません。次のセクションでは、この2つのサービスに日本国内で対応する方法を解説します。
日本での対応について:Alipay+という選択肢
K PLUSとTrueMoney Walletは、いずれも単独で日本国内に直接加盟店網を持つわけではありませんが、Ant International(アントインターナショナル)が提供するクロスボーダー決済プラットフォーム「Alipay+(アリペイプラス)」のパートナーウォレットとして登録されています。Alipay+を導入することで、K PLUSやTrueMoney Walletを含む複数の海外モバイル決済に一括対応できます。
Alipay+とは
Alipay+は、加盟する複数のデジタルウォレットを通じて、全世界で17億人以上のユーザーにリーチできる次世代モバイル決済プラットフォームです。アジアを中心に30以上のウォレットや銀行アプリに対応し、国境を越えたシームレスな購買体験を提供します。
中国本土向けの「Alipay」が人民元決済を前提とした国内サービスであるのに対し、「Alipay+」はアジア太平洋地域を中心とした多国籍ユーザー向けに、Alipayを含む複数の決済ブランドへ一括対応する点が特徴です。インバウンド対応や多国籍ウォレットへの接続性を重視する場合は、Alipay+の導入がより多くのメリットをもたらします。
Alipay+が対応するQRコード決済で支払いができる基本機能。店頭QRコードをユーザー自身がスキャンする「ユーザースキャン方式」が中心です。
訪日観光客向けの共通クーポンや、加盟店ごとの為替優待クーポンを配布・取得できる機能。来店促進やリピート率向上につながります。
観光チケットの購入やホテル予約、為替レートの自動計算などができる機能。決済以外の場面でもアプリ内で旅行体験を完結できます。
取得済みのクーポンや銀行カード、航空チケットなどを一括管理できる機能。支払い時にクーポンを自動適用できます。
店舗・施設に導入するメリット
Alipay+は、単なる決済手段の拡充に留まらず、訪日観光客の集客と売上アップに貢献します。
- インバウンド売上の向上:あらゆる国・地域の訪日観光客が自国のモバイルウォレットでシームレスに決済できるため、客単価・回転率の向上が期待できます
- 店舗運営の効率化とコスト削減:端末管理・レポート出力・加盟店契約などが一元化され、決済ブランドごとに端末を切り替える必要がなくなります
- クーポン配信でプロモーションを強化:観光シーズンやキャンペーン期間に合わせてクーポンを発行し、来店促進やリピート率の向上につなげられます
導入方法:「IntaPay」による一括導入
Alipay+の導入だけでは訪日観光客に認知されにくく、早期の集客効果も期待できません。そこで重要なのが、Alipay+の機能を活用したインバウンド戦略の策定です。
インタセクト・コミュニケーションズが提供する「IntaPay(インタペイ)」では、Alipay+やWeChat Payなど海外で主要なQRコード決済ブランドの一括導入が可能です。海外の決済ブランドに加えて、PayPayや楽天ペイ、d払いなどの国内決済にも対応し、異なるブランドのQRコードを1つのシステムで自動認識するため、店舗側のオペレーションも効率化できます。
さらに、IntaPayの無料オプションとして、Alipay+アプリ内に店舗専用ページを掲載するプロモーション支援も提供しています。加盟店申請(アカウント作成)から店舗情報の掲載、クーポンや為替レート優待券の配布まで、Alipay+でのマーケティングに精通した担当者が一貫してサポートします。
https://intapay-payment.intasect.com/column/alipay
タイの観光客に対応したキャッシュレス決済導入ポイント
タイからの訪日観光客に向けてキャッシュレス決済環境を整備する際は、個別の決済サービスをそれぞれ導入するのではなく、複数のサービスを横断的にカバーできる仕組みを検討することが重要です。
メリット&デメリット
| メリット | デメリット(個別導入の場合) |
|---|---|
| タイ人観光客にとって使い慣れた決済手段で支払えるため、来店・購買のハードルが下がる | K PLUS・TrueMoney Walletなどを個別に契約・導入すると、店舗側の契約・端末対応が煩雑になる |
| 現金両替の手間が省け、会計のスピードと正確性が向上する | 決済ブランドごとにQRコードや端末を切り替える必要があり、レジ対応の負荷が増える |
| クーポンや為替優待などのプロモーション機能を活用し、客単価・リピート率の向上が期待できる | 各サービスの加盟店契約や手数料体系を個別に把握・管理するコストがかかる |
前述の通り、Alipay+を導入すれば、K PLUSとTrueMoney Walletの両方に一括で対応可能です。さらにAlipay+は韓国のKakao PayやNAVER Pay、香港のAlipayHK、フィリピンのGCashなど他の地域の主要モバイル決済にも同時対応しているため、タイ以外の訪日観光客への対応力も同時に高められる点が大きな利点です。
まとめ
タイ人観光客のキャッシュレス対応、ポイントは3つ
- タイは国内のキャッシュレス化が日本以上に進んでおり、訪日タイ人観光客の多くがモバイル決済を使い慣れている
- K PLUSやTrueMoney Walletは本来タイ国内向けに設計されたサービスであり、そのままでは日本国内で使えない
- Alipay+のようなクロスボーダー決済基盤を活用し、IntaPayで一括導入することが現実的な選択肢となる
タイは国内のキャッシュレス化が日本以上に進んでおり、訪日タイ人観光客の多くがモバイル決済を使い慣れています。一方で、K PLUSやTrueMoney Walletは本来タイ国内向けに設計されたサービスであるため、日本国内での対応にはAlipay+のようなクロスボーダー決済基盤の活用が現実的な選択肢となります。Alipay+は決済機能だけでなく、クーポン配信などのプロモーション機能も備えており、導入する店舗・施設にとっては集客力の強化にもつながります。