au PAYが"ビットコイン連動"を開始──キャッシュレス決済と暗号資産の距離が近づく時代へ

ポイント運用から始まる"はじめてのビットコイン体験"。キャッシュレス市場の進化と、これからの決済環境について考える。

au PAY、ポイント運用でビットコイン連動サービスを開始

au PAYは2026年5月18日、ポイント運用サービスにおいて「ビットコイン連動コース」と「ポイント預金」の提供を開始しました。ユーザーは保有しているPontaポイントを使い、実際の価格変動に連動した形でビットコインの値動きを体験できるようになります。

ポイント運用とは?

au PAY ポイント運用は、Pontaポイントを保有するユーザーが、証券口座開設不要で手軽に資産運用を疑似体験できるサービスです。運用するポイント数を決めて好きなコースに追加するだけで、初心者でも気軽に投資を体験できます。2019年の提供開始以降、利用者数は順調に増加し、2026年4月には680万人を突破しています。

使い方はとてもシンプルです。

  • ポイント預金は1ポイントから、その他のコースは100ポイントから口座開設なしですぐに運用をスタートできます
  • 運用中のポイントは1ポイント単位でいつでも引き出し可能で、引き出したポイントはau PAY残高へのチャージやお買い物にそのまま利用できます
  • 「みんなの運用状況」を見れば、現時点で運用ポイントを追加する人が多いのか、引き出す人が多いのかを一目で把握でき、迷ったときの参考にすることができます
  • 今回の新コース追加により、選べるコースは計5つに拡充されました。コースは併用可能で、運用ポイントの上限もありません。

【ポイント運用 コース一覧】

コース名 特徴 リスク
NEW
ビットコイン連動コース
ビットコインの価格に連動することを目指す積極運用型
NEW
ポイント預金
元本確保型。年0.10%の利息が付与され、いつでも引き出し可能
バランスコース 国内外の債券・株式に分散投資する投資信託に連動
インドチャレンジコース インド株式(Nifty50指数)に連動する投資信託に連動
米国チャレンジコース NASDAQ100指数に連動し、レバレッジ比率を概ね1〜3倍にコントロールし2倍超のリターンを目指す投資信託に連動

出典:au PAY magazine(media.aupay.wallet.auone.jp/articles/5050)

ポイントをどうやってビットコインに連動させるの?

ビットコイン連動コースは、ユーザーが保有するPontaポイントの運用数が、市場のビットコイン価格に連動して増減する仕組みです。暗号資産口座の開設を必要としない点が特徴で、100ポイントという少額から始められます。

仕組みを支えているのは、KDDIとコインチェック、auフィナンシャルホールディングスの3社が出資する目的で2026年5月12日に設立されたばかりのau Coincheck Digital Assetsで、今回のビットコイン連動コースが同社の始動後初のサービスとなります。

価格は1日1回反映され、暗号資産市場の価格変動をポイントで手軽に追体験できます。なお、ビットコイン連動コースでは、ポイントの追加と引き出し時に4.5%の手数料が必要です。

メリットはなに?

最大のメリットは、リスクを最小限に抑えた"ビットコイン入門"ができる点です。通常、暗号資産の取引には取引所への口座開設・本人確認・入金といった複数のステップが必要ですが、このサービスでは普段のショッピングで貯めたPontaポイントをそのまま活用できます。

「ビットコイン連動コース」は、暗号資産の値動きに合わせ、不確実性は高いがリターンも見込める積極運用型。一方「ポイント預金」はポイントが減るリスクがなく、安定的な元本確保型で、銀行への預金と同じ感覚で追加したPontaポイントに年0.10%の利息が付与されます。自分のリスク許容度に合わせてコースを選べる点も魅力です。

さらに、まずはポイント運用というハードルの低いサービスを通じてユーザーに暗号資産の価格変動を体験してもらい、その後の暗号資産ウォレット提供へと繋げていく段階的な戦略も取られており、KDDIおよびau Coincheck Digital Assetsは2026年夏に「暗号資産ウォレット」のサービス提供も予定しています。ポイント運用が、本格的な暗号資産投資への"自然な入り口"として機能する設計になっています。

ポイント運用
利用者数(2026年4月)

680万人

2019年提供開始以降

最低利用
ポイント数

100pt~

口座開設不要

価格反映タイミング

1日1回

BTC市場価格連動

出典:KDDI・auペイメント プレスリリース(2026.5.18)


そもそもビットコインとは?

ビットコインとは、インターネット上でやり取りできるデジタル資産(暗号資産)の一種です。2009年に誕生し、中央銀行や国家によって管理されるのではなく、「ブロックチェーン」と呼ばれる分散型技術によって運営されています。

世界共通の価値として利用できる点が最大の特徴で、近年では「デジタルゴールド」とも呼ばれ、新しい金融インフラとして注目を集めています。国境を越えた送金・決済の手軽さから、金融・決済業界からの関心も急速に高まっています。

分散型技術 デジタルゴールド 国際送金 ブロックチェーン

ビットコイン市場は今どうなっているのか?

ビットコイン市場はここ数年で大きく成長しました。2025年には過去最高値1,800万円(約12万ドル)を更新し、2026年5月現在は約1,200万円前後を推移。大手金融機関や上場企業も保有・活用を進めています。

ビットコイン価格推移(円建て・概算)
ビットコイン価格推移グラフ

出典:CRYPTO INSIGHT(ダイヤモンド・ザイ)、各種報道 ※過去の実績は将来を保証しません

BTC技術市場規模
(2025年推計)

164億ドル

2030年には282億ドルへ

2025年 過去最高値
(円建て概算)

1,800万円

ドル建て約12万ドル

2026年5月
現在価格(概算)

1,200万円

調整局面が続く


ビットコインにはどんなリスクがある?

大きな可能性がある一方で、いくつかのリスクも存在します。特に初心者の場合、「なんとなく流行っているから始める」のではなく、まずは少額で仕組みを理解することが重要です。

価格変動リスク

数日で価格が大きく上下。安定資産とは言えない高ボラティリティ。

📄

法規制リスク

各国の規制変化が市場全体に影響を与える可能性がある。

🔓

セキュリティリスク

ハッキングや詐欺などの被害事例が国内外で報告されている。

情報不足リスク

仕組みを理解せず始めると、判断を誤るリスクが高まる。

ポイント運用のように実際のお金を大きく動かさずに体験できる仕組みは、リスクを抑えた"はじめての一歩"として合理的な選択肢です。


キャッシュレス決済×ビットコインが注目される理由

キャッシュレス決済とビットコインは一見別サービスに見えますが、「お金をよりデジタルに、よりスムーズに扱う」という共通点があります。日常インフラとなったキャッシュレスアプリ内に暗号資産との接点が組み込まれることで、「投資」ではなく"日常の金融体験"として広がり始めています。

日本キャッシュレス決済比率の推移(経済産業省)
キャッシュレス決済比率推移グラフ

出典:経済産業省(2026年3月発表・国内指標)※2025年は新国内指標ベースで58.0%

2025年 キャッシュレス
決済比率(国内指標)

58%

162.7兆円(前年比+5.2pt)

政府の次期目標
(国内指標)

80%

可能な限り早期の達成を目指す


ポイント運用は"仮想通貨への入り口"になるのか

今回のau PAYの動きは単なる新機能追加というよりも、「ポイント運用を入口とした暗号資産へのオンボーディング戦略」と見ることができます。PayPayでも2025年1月にビットコインコースを導入しており、国内主要キャッシュレス事業者での競争が始まっています。

普段使っているポイントサービスの延長線上でビットコインに触れられる仕組みは、"投資を始める"ではなく、"少し試してみる"という体験設計になっている点が大きな特徴です。

主要キャッシュレスアプリのビットコイン連動ポイント運用

サービス 開始時期 特徴
au PAY 2026年5月 Pontaポイント連動、100ptから
PayPay 2025年1月〜 逆連動コースも追加(2025年9月)

キャッシュレス環境の進化が、次の金融体験をつくる

キャッシュレス決済は、単なる「支払い手段」から金融体験そのものへと進化し始めています。ポイント運用・資産形成・デジタル通貨との接続など、これまで別々だったサービスが徐々に一体化しつつあります。

こうした変化の中では「どの決済手段を選ぶか」だけでなく、「どんな体験設計ができるか」が重要になっています。初期費用や固定費を抑えながら導入できるキャッシュレスサービスも増えており、店舗側にとっても柔軟な選択肢が広がっています。

スモールスタートしやすいキャッシュレス決済として注目

こうした市場環境の変化の中、初期費用を抑えて導入しやすいサービスへの関心が高まっています。