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決済トレンド解説
2026年 世界の決済はどう変わる?
AI時代に押さえたい10の決済トレンド
キャッシュレス決済の普及とデジタル技術の進化により、決済業界は大きな変革期を迎えています。本記事では2026年の世界の決済トレンドを「AI」「決済インフラの高度化」「グローバル化・消費者行動の変化」という3つの軸に整理し、最新の統計や事例とともに10のトレンドを解説します。
はじめに:決済業界を読み解く3つの軸
キャッシュレス決済の普及やデジタル技術の進化により、決済業界は今、大きな変革期を迎えています。経済産業省の発表によれば、2025年の日本のキャッシュレス決済比率は58.0%(162.7兆円)に達し、堅調に上昇を続けています。
2026年の世界の決済トレンドは、大きく「AI」「決済インフラの高度化」「グローバル化・消費者行動の変化」という3つの軸に整理できます。本記事ではこの3軸に沿って、2026年に注目すべき10のトレンドを、最新の統計や事例とともにご紹介します。
特に訪日外国人の増加や海外市場への進出を目指す企業にとっては、国内だけでなく世界の決済トレンドを把握することが重要です。
https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331006/20260331006.html
軸1|AI:購買体験と不正対策の両面で変革
AIは「買い物を代行する」側と「不正を見抜く」側の両方で決済を変えつつあります。まずはこの2つのトレンドから見ていきましょう。
トレンド1:AIが買い物をサポートする「Agentic Commerce」
近年、最も注目されているテーマの一つが「Agentic Commerce(エージェンティックコマース)」です。これはAIが利用者に代わって商品を探し、比較・提案・購入までをサポートする新しい購買スタイルを指します。
2026年は、この分野の転換点となりました。2025年9月にOpenAIとStripeが共同でAgentic Commerce Protocol(ACP)を公開し、続いて2026年1月にはGoogleがShopifyと共同でUniversal Commerce Protocol(UCP)を発表するなど、AIエージェントが購買を代行する時代が実質的に幕を開けました。
出典:Stripe「Developing an open standard for agentic commerce」(2025年9月29日)https://stripe.com/blog/developing-an-open-standard-for-agentic-commerce/Google Developers Blog「Under the Hood: Universal Commerce Protocol(UCP)」(2026年1月11日)https://developers.googleblog.com/under-the-hood-universal-commerce-protocol-ucp/
決済ブランド側の対応も進んでいます。主要4つの動きが、この分野の基盤を形づくっています。
2025年9月に公開されたAgentic Commerce Protocol。AIエージェント経由の購買を実現するための共通規格として先陣を切りました。
2026年1月発表のUniversal Commerce Protocol。商品の発見から購入、購入後サポートまでをカバーし、既存の業界プロトコルとの互換性も考慮されています。
2025年4月発表。トークン化などの既存決済インフラを基盤に、AIプラットフォーム経由の購入を実現する仕組みを整えました。
同じく2025年4月発表。AIエージェントが決済まで安全に実行できるよう、既存インフラを活用した仕組みを構築しています。
出典:TechCrunch「Visa and Mastercard unveil AI-powered shopping」(2025年4月30日)https://techcrunch.com/2025/04/30/visa-and-mastercard-unveil-ai-powered-shopping/
Agentic Commerceの普及によって、企業は「人に商品を見つけてもらう時代」から、「AIエージェントに商品を選んでもらう時代」へ対応する必要があります。今後は、商品の価格や仕様だけでなく、商品情報の構造化や在庫情報、配送条件などをAIが理解しやすい形で提供できるかどうかが、購買機会を左右する重要な要素になると考えられます。
EC事業者やブランド企業は、商品情報を最新の状態で管理するとともに、AIエージェントが利用しやすいデータ形式やAPI連携への対応を見据えた準備を進めることが重要です。また、決済事業者やプラットフォーム事業者においても、AIを前提とした新たな決済フローへの対応が今後の競争力につながるでしょう。
市場規模の試算も出始めています。McKinsey & Companyは2025年10月時点で、AIエージェントが2030年までに世界の消費者商取引のうち3〜5兆ドルを仲介する可能性があると試算しています。日本国内でも、約7割の企業がビジネスへの影響を予想し、導入検討企業の約6割が3年以内の本格運用を計画しているという調査結果が報告されています。
https://www.mckinsey.com/capabilities/quantumblack/our-insights/the-agentic-commerce-opportunity-how-ai-agents-are-ushering-in-a-new-era-for-consumers-and-merchants
トレンド2:AIによる不正利用対策の高度化
キャッシュレス決済が普及する一方で、不正利用への対策も重要になっています。近年ではAIが取引データをリアルタイムで分析し、不審な取引を検知する技術が急速に進化しています。
生成AIの取り込みも進んでいます。AIを活用した予測分析やチャットボットは24時間365日の不正検知を可能にし、決済ネットワークと銀行の連携によって不正検知能力がさらに強化されています。実際、企業側の対応も進んでおり、業界調査では大半の企業がすでにAI技術を導入済み、あるいは導入を計画していると報告されています。
従来よりも高い精度で不正利用を防止できることから、多くの決済事業者がAI技術の導入を進めています。特にリアルタイム決済やClick to Payのように「即時に取り消せない」決済手法が広がるほど、事前の不正検知の重要性は増していきます(両者の関係は軸2で詳しく解説します)。
軸2|決済インフラの高度化:リアルタイム化とシームレス化
2つ目の軸は、決済そのものの「速さ」と「シームレスさ」を高めるインフラの進化です。リアルタイム決済からオープンバンキングまで、4つのトレンドを見ていきます。
トレンド3:リアルタイム決済(RTP)の普及
世界では24時間365日、即時に送金・決済ができる「リアルタイム決済(Real-Time Payments)」の導入が進んでいます。銀行営業時間を気にすることなく送金できるため、個人間送金だけでなく、企業間取引やECサイトでの活用も拡大しています。
市場規模で見るとその拡大ペースは顕著です。世界のリアルタイム決済市場は2026年に470億6,000万ドル規模となり、その後も年平均34.3%という高い成長率で拡大を続け、2034年には約4,990億ドルに達すると予想されています。
https://www.fortunebusinessinsights.com/real-time-payments-market-110424
国別ではインドが牽引役です。インドは世界で最もリアルタイム決済の利用が多く、年間のリアルタイム決済取引の40%以上がインド発となっており、取引件数は2位の中国の約2.6倍に達しています。
米国でもインフラ整備が進んでおり、2023年7月には連邦準備制度理事会が「FedNow」を開始し、既存のThe Clearing House運営のRTPネットワークと並んで、適格な金融機関であれば利用できる即時決済基盤が広がっています。
出典:Federal Reserve Board「Federal Reserve announces that its new system for instant payments, the FedNow Service, is now live」(2023年7月20日)https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/other20230720a.htm
今後、日本でもリアルタイム性を重視した決済サービスへの期待は高まると考えられます。特に越境の資金移動でも即時化のニーズが強まっており、越境リアルタイム決済ハブの市場規模は2025年の74億9,000万ドルから2026年には104億6,000万ドルへ、年平均39.6%で成長すると報じられています。
リアルタイム決済の普及は、単に送金スピードが速くなるだけではありません。消費者や取引先は「即時に支払いが完了すること」を当たり前と考えるようになり、決済スピードそのものが顧客体験の一部になりつつあります。決済事業者にとっては、国内外のリアルタイム決済ネットワークへの対応を見据えるとともに、リアルタイムでのリスク管理や安定した決済処理を支える運用体制を整備しておくことが重要です。
トレンド4:Click to Payの利用拡大(※2026年、ついに日本上陸)
オンラインショッピングで毎回カード情報を入力する手間を省ける「Click to Pay」も注目されています。国際カードブランドが推進するこの仕組みは、利便性とセキュリティを両立できる決済方法として導入が進んでいます。
これまで日本では導入時期が未定でしたが、状況は大きく動きました。Click to PayはEMVcoが策定した国際標準規格「EMV Secure Remote Commerce(SRC)」に基づくサービスで、海外ではVisa、Mastercard、アメリカン・エキスプレスなどの国際ブランドがすでに提供しています。
日本でもVisaが「クリック決済」という名称で提供を開始し、2026年2月24日には三井住友カードが対応を開始。利用者は登録済みカードの中から支払いに使うカードを選ぶだけで決済が完了する仕組みが国内でも動き出しました。
出典:三井住友カード株式会社「三井住友カードが『クリック決済』に対応開始!」(2026年2月24日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000855.000032321.html
セキュリティ効果も報告されています。米国での実績として、Click to Payの導入がクレジットカードの不正利用を大幅に減少させたとする報告もあり、なりすまし決済対策としての役割が期待されています。日本でも今後、対応する発行会社・加盟店が広がっていく見通しです。
ECでは、決済画面での入力負担が購入離脱(カゴ落ち)の大きな要因の一つとされています。Click to Payは、入力の手間を減らしながら高いセキュリティも実現できることから、今後のオンライン決済の標準的な選択肢の一つになる可能性があります。EC事業者は、自社で利用している決済代行会社や決済ゲートウェイがClick to Payへ対応しているかを確認し、対応可能な環境を整備しておくことで、今後の利用拡大に備えることができます。
トレンド5:Embedded Finance(組み込み型金融)の拡大
決済や融資、保険などの金融サービスを、ECサイトやアプリに組み込む「Embedded Finance(組み込み型金融)」も世界的なトレンドです。利用者は金融サービスを意識することなく、自然な流れで決済や支払いを完了できます。
- 後払い・分割払いオプション:ECサイトのチェックアウト画面に組み込まれ、その場で利用可否が判定される
- 配送アプリ内での保険加入:利用者の行動データを踏まえ、必要なタイミングで提案される
- 会計ソフトに統合された融資審査:日々の取引データをもとに、その場で与信判断が行われる
従来は銀行や保険会社と個別に契約する必要があった金融サービスが、利用者の行動データを踏まえてその場で提案される点が特徴です。企業にとっては顧客体験の向上や新たな収益機会につながる可能性がありますが、金融規制対応や与信管理の内製・外部連携をどう設計するかが導入の分かれ目になります。特にBNPL(軸3で後述)はEmbedded Financeの代表的な実装例であり、両者は密接に関連しています。
トレンド6:オープンバンキングの活用
オープンバンキングとは、銀行がAPIを通じて外部サービスと安全に連携する仕組みです。これにより、家計簿アプリや会計ソフトとの連携、銀行口座を活用した新しい決済サービスなど、さまざまなサービスが生まれています。
具体的には、口座残高や取引履歴をAPI経由で取得し、与信判断や資金繰り予測に活用するケースや、口座直結の決済(Pay by Bank)によってカード決済手数料を回避する動きなどが広がっています。ヨーロッパではPSD2以降の規制整備によってオープンバンキングが先行していますが、アジアや北米でも金融機関とフィンテック企業の連携が加速しています。
今後も金融サービスの利便性向上に欠かせない仕組みとなるでしょう。日本国内でも銀行APIの公開が進んでおり、家計管理アプリなどを通じた活用が広がっています。
軸3|グローバル化・消費者行動の変化:越境と多様化する支払い方法
3つ目の軸は、越境ECの拡大や消費者行動の多様化に対応する動きです。多通貨対応からデータ活用まで、残る4つのトレンドを解説します。
トレンド7:越境ECと多通貨決済への対応
世界中の消費者へ商品を販売する越境EC市場は拡大を続けています。それに伴い、現地通貨で支払える多通貨決済や、各国で利用されている決済手段への対応が重要になっています。
一般社団法人キャッシュレス推進協議会は、日本の統一QRコード規格「JPQR」と、カンボジアの「KHQR」やインドネシアの「QRIS」といった東南アジア各国の統一QRコード規格との相互運用に対応しました。これにより、両国からの訪日旅行者が自国で使い慣れたアプリでJPQRコードを読み取り、日本国内で支払える環境が整いつつあります。
出典:一般社団法人キャッシュレス推進協議会「JPQR Globalの提供について」https://paymentsjapan.or.jp/announcement/20250526_jpqr-global/
訪日外国人向けの店舗でも、海外発行カードや海外のデジタルウォレット(Alipay、WeChat Payなど)への対応が顧客満足度向上につながります。また2026年は米国でステーブルコインの発行・運用を規制する「GENIUS法」が2025年6月に可決されたことを受け、ステーブルコインが公式な決済通貨として位置づけられ、決済エコシステムに変化が生じる可能性が注目されています。越境決済における新たな選択肢として、今後の動向を注視する価値があります。
出典:Cointelegraph Japan「米上院、GENIUSステーブルコイン法案を68対30で可決」(2025年6月17日)https://jp.cointelegraph.com/news/us-senate-passes-genius-act-stablecoins
訪日外国人や海外消費者は、自国で普段利用している決済手段を利用できるかどうかを重視する傾向があります。決済方法への対応状況は、購入率や顧客満足度にも影響する重要な要素となっています。海外市場への展開やインバウンド需要を取り込む企業は、主要な国際ブランドだけでなく、各国・地域で利用されているデジタルウォレットやQRコード決済への対応状況も定期的に見直すことが重要です。あわせて、多通貨決済や海外向けマーケティング施策も含めた総合的な設計が求められるでしょう。
トレンド8:デジタルウォレットのさらなる普及
スマートフォンを利用したデジタルウォレットは、世界各国で利用が拡大しています。クレジットカード情報を安全に管理できるだけでなく、店舗・ECサイト・公共交通機関など、さまざまな場面で利用できることが特徴です。
https://insight.infcurion.com/business/2025-high-usage-services/(PayPayシェア56%)/https://squareup.com/jp/ja/townsquare/qr-code-payment-vs-credit-card-payment(クレジットカード81%・QRコード決済72%)
日本国内のコード決済(QR決済)の状況を見ると、PayPayが56%のシェアでQRコード決済市場をリードし、楽天ペイやd払いが続いています。決済手段全体の利用率ではクレジットカードの利用率が81%、次いでQRコード決済が72%という調査結果もあり、両者は競合というより併用される決済手段になりつつあります。
対面決済の分野でも非接触化が進んでいます。Visaによれば、タッチ決済(EMVコンタクトレス)対応カードの発行枚数は2024年9月末時点で約1億4,000万枚に達し、コンビニでの対応加盟店数はこの2年で3.1倍に拡大しました。さらに関東の鉄道事業者11社局は2026年3月25日から、タッチ決済による乗車サービスの相互利用を開始しており、交通分野でもウォレット・タッチ決済の活用が広がっています。今後も消費者の主要な決済手段の一つとして成長が期待されています。
出典:ペイメントナビ「Visaタッチ決済の導入加盟店は過去2年で5倍に拡大」(2024年11月28日)https://paymentnavi.com/paymentnews/153827.html/東京都交通局「関東の鉄道事業者11社局の路線を対象とした、タッチ決済による後払い乗車サービスの相互利用を開始します」(2026年1月28日)https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/subway/2026/sub_p_2026012812378_h.html
トレンド9:BNPL(後払い決済)の進化と規制強化
「Buy Now, Pay Later(BNPL)」は、商品を購入した後に代金を支払う決済方法です。若年層を中心に利用が広がる一方、近年は各国でルール整備が進み、安全性や透明性の向上にも注目が集まっています。
https://www.mordorintelligence.com/industry-reports/buy-now-pay-later-services-market
日本国内でも、後払い決済サービスの市場規模は約1.5兆円規模に達していると報じられています。
出典:信金中央金庫 地域・中小企業研究所「急成長する国内後払い決済サービス市場の動向」https://www.scbri.jp/reports/.assets/newstopics_20251015.pdf
一方で、世界各国では利用者保護のための規制強化が本格化しています。2026年に完全施行が予定されるEUの消費者信用指令第2次改正(CCD2)は、融資対象を10万ユーロまで拡大したうえでBNPLを規制対象に含め、加盟国ごとに設定される年率・手数料の上限規制や、より厳格な返済能力審査を事業者に義務付けると報じられています(具体的な上限金利は国によって異なります)。米国でも、ニューヨーク州が2026年2月23日、BNPL事業者に対しライセンス取得や手数料制限、情報開示の義務化などを柱とする全米初となる包括的な規制案を公表しました。英国でも、金融行為監督機構(FCA)が2026年2月に最終規則を公表し、2026年7月15日からBNPL(Deferred Payment Credit)をFCAの監督下に置く規制が正式に開始される予定です。
出典:Consultancy.eu「EU retailers offering Buy Now Pay Later must comply with new CCD2 rules」https://www.consultancy.eu/news/11674/eu-retailers-offering-buy-now-pay-later-must-comply-with-new-ccd2-rules/New York State Governor's Office「Governor Hochul Announces New Nation-Leading Regulation to Establish Comprehensive Consumer Protections for Buy Now, Pay Later Loans」(2026年2月23日)https://www.governor.ny.gov/news/governor-hochul-announces-new-nation-leading-regulation-establish-comprehensive-consumer/FCA「Buy Now Pay Later」https://www.fca.org.uk/consumers/buy-now-pay-later
日本ではまだ専用法はありませんが、2026年3月時点でBNPLだけを対象とした独立した法律は存在せず、支払い期間が2ヵ月を超える場合に割賦販売法が適用されるなど、既存法の枠組みで対応している状況です。企業にとっては、新たな決済手段の選択肢として検討しつつ、各国の規制動向をキャッチアップしておく価値があるでしょう。
トレンド10:決済データの活用
決済は「支払いを完了する」だけではありません。決済データを分析することで、顧客の購買傾向や人気商品の把握、販促施策の改善など、経営に役立つ情報を得られます。
具体的には、購入頻度や決済手段の傾向から優良顧客層を特定してロイヤルティ施策に活かす、地域・時間帯別の決済データから店舗運営や在庫配置を最適化する、といった活用が広がっています。Click to Payやデジタルウォレットのようにトークン化された決済データが蓄積されるほど、個人を特定しない形での購買行動分析の精度も高まっていきます。
今後は決済データを活用したマーケティングや店舗運営が、企業の競争力を左右する要素の一つになるでしょう。ただし、こうしたデータ活用には個人情報保護の観点からの適切な同意取得やガバナンス体制の整備も欠かせません。
日本企業が今から備えるべきこと
ここまで見てきた10のトレンドは、「AI」「決済インフラの高度化」「グローバル化」の3軸に沿って整理すると、自社の対応の優先順位が見えやすくなります。
- Agentic Commerceに対応するための商品データ構造化
- AIエージェントによる不正取引の識別
- 生成AIを活用した不正検知の高度化
- RTPやClick to Payなど即時決済への対応
- Embedded Finance・オープンバンキングを活用した顧客体験の向上
- 越境ECにおける多通貨決済・海外ウォレット対応
- BNPLの規制動向の継続的なキャッチアップ
- 決済データのガバナンス整備
特に、訪日外国人への対応や越境ECの拡大を考える企業にとっては、多様な決済方法への対応や、安全性の高い決済環境の整備が重要です。また、決済サービスを選ぶ際には、対応できる決済ブランドの豊富さや多通貨決済への対応、セキュリティ対策、システム連携のしやすさなども確認しておくとよいでしょう。
なぜ、決済トレンドに注目すべきか
一度広まったら、元には戻らない変化
決済は、企業とお客様が一番よく顔を合わせる場所です。ここで「面倒だな」と思われてしまうと、それだけでお客様を逃してしまいます。
今回紹介した10のトレンドには、共通点があります。それは「一度広まったら、元には戻らない」ということです。AIが買い物を手伝ってくれる便利さも、支払いが一瞬で終わる速さも、お客様が一度体験してしまうと、以前のやり方には戻れません。
だからこそ、「様子を見てから動く」のはリスクがあります。他社が先に対応してしまうと、お客様の「当たり前」の基準が上がってしまい、あとから追いつくのはとても大変になるからです。
もうひとつ大事なのは、決済のトレンドは「新しい規制」とセットでやってくることが多いという点です。BNPLのように、サービスが急に広まった後で、各国がルールを厳しくするケースはよくあります。ビジネスチャンスと規制の両方に、目を配る必要があります。
企業はどう備えればいいか
すべてのトレンドに一度に対応しようとするのは危険です。
大切なのは、自社にとって特に関係が深いテーマを選ぶことです。例えば、海外向けに販売していない会社なら、多通貨決済の優先度は下げても大丈夫です。逆に、訪日外国人のお客様が多いお店なら、タッチ決済への対応は後回しにできません。
また、決済に関する判断を情報システム部門だけに任せないことも重要です。AIによる購買代行や決済データの活用は、マーケティングや経営戦略にも深く関わるテーマだからです。
最後に、規制への対応は「面倒なコスト」ではなく「お客様からの信頼を得るための投資」だと考えることをおすすめします。多少手間がかかっても、きちんと対応する企業だけが、長い目で見てお客様に選ばれ続けます。
インタセクト・コミュニケーションズのサービス
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