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韓国のキャッシュレス最新事情!店舗対応の必要性やメリットを紹介

訪日観光客はコロナ禍以降回復基調にあり、日本の店舗にとってキャッシュレス対応の重要性はますます高まっています。
中でも韓国はキャッシュレス決済が生活に深く浸透しており、クレジットカードやQRコード決済など多彩な手段が日常的に使われています。こうした背景を正しく理解し、訪日韓国人観光客に適した決済環境を整えることで、来店機会の拡大や売上向上につなげることが可能です。
本記事では、韓国の最新キャッシュレス事情と、店舗が取るべき具体策について紹介します。
訪日韓国人観光客数の変化

日本政府観光局(JNTO)によると、2025年1月~6月の訪日韓国人数は478万3,500人、前年同期間の444万2,111人に比べると7.7%の伸び率となっています。
さらに2025年6月の訪日韓国人数は72万9,800人で、6月としては過去最高を記録しています。
また、コロナ前の2019年1~6月(386万2,658人)と比べても上回っており、訪日韓国人観光客数は力強い回復と増加傾向を示しています。
訪日韓国人観光客数が増加している背景
訪日韓国人観光客数が増加している理由として以下が挙げられます。
LCCの新規就航や既存便増便によるアクセス向上
円安による日本での買い物の割安感
日本のポップカルチャー(漫画・アニメ・ファッション)への関心の高まり
距離が近く、短期滞在でも楽しめる利便性
訪日韓国人観光客数の増加には、観光需要の高まりやLCCの拡大が大きく影響しています。特に2025年は新規路線の就航や便数の増加により、アクセスが大幅に改善したことから、より多くの韓国人が日本を訪れやすくなっています。
加えて、韓国国内の物価上昇と、円安効果が重なり、日本での買い物が割安になるため、買い物目当ての訪日韓国人観光客数も増えています。
国内店舗に求められる対応
訪日韓国人観光客の増加に伴い、国内の店舗では決済・接客・サービスの各面での対応が重要です。
日本政府観光局(JNTO)によると、2025年4~6月における訪日韓国人観光客の1人あたりの旅行支出は10万2,071円で、宿泊をはじめ、ショッピングや飲食にも多く消費しています。
この需要に応えるためには、消費傾向や文化的背景を理解し、それに合った商品やサービスを提供することが欠かせません。
以下に、店舗が対応すべきポイントとして、「サービス」「接客」「決済」の観点からそれぞれ詳しく解説します。
サービス
訪日韓国人観光客にとって快適で利便性の高い店舗環境は、満足度向上の大きな要因となります。
具体的には、無料Wi-Fiやスマートフォン充電スポットの設置をはじめ、韓国語による案内表示やメニューの整備などです。
加えて、訪日韓国人観光客のニーズに応えた割引やクーポンの活用なども、来店促進につながります。
また、SNS映えする店舗デザインや体験型サービスの充実も効果的です。
接客
訪日韓国人観光客に対する接客では、韓国語対応スタッフの配置や簡易的な韓国語表記の導入などが心理的な安心感を高めます。
さらに、韓国では礼儀やマナーを重視する文化的傾向があるため、文化的背景を尊重した丁寧で礼儀正しい接客は顧客満足度を向上させ、口コミやリピーター増加につながります。
決済
韓国人観光客はキャッシュレス決済が生活の中心であり、店舗での決済対応は必須です。
母国で日常的に利用するキャッシュレス手段(クレジットカード・QR決済など)への対応を整えることで、スムーズな支払いを実現し、顧客と満足度の向上と店舗の売上増加にも貢献します。
韓国のキャッシュレス事情

一般社団法人キャッシュレス推進協議会の調査によると、韓国のキャッシュレス決済普及率は2022年時点で99%に達しており、世界の中でも特に普及しています。
ここでは、韓国でキャッシュレス決済が普及した背景や日本との比較、主要な決済手段を解説します。
韓国でキャッシュレス決済が普及した背景
韓国でキャッシュレス決済が急速に広がったきっかけは、1997年のアジア通貨危機です。
政府は消費拡大と脱税防止を目的に、クレジットカード利用を推進し、年間カード利用額の一部を所得控除の対象としたほか、宝くじ権利の付与といったインセンティブを提供しました。
その後はスマートフォンの普及に伴いモバイル決済も浸透し、現在では街中のほぼすべての店舗でキャッシュレス決済が利用可能となっています。
このように、韓国ではキャッシュレス決済が国民の生活に深く根付き、便利かつ安全な決済文化が確立されています。
日本との比較
経済産業省によると日本のキャッシュレス決済比率は2024年時点で約42.8%と、政府目標の40%を超えていますが、韓国に比べるとまだまだ低いのが現状です。
日本では現金志向が根強く、小規模店舗での導入コストも普及の壁となっています。
一方で日本では公共交通系電子マネーの利用は広がっていますが、QRコード決済の導入率は半数程度にとどまっており、今後の普及拡大が課題といえます。
【関連記事】日本のキャッシュレス決済の変化と動向!店舗の集客・売上アップに向けた対策とは?
韓国の主要な決済手段
韓国では多様なキャッシュレス手段が利用されています。代表的なものを以下にまとめています。
| 決済手段 | 種類 | 特徴 |
| クレジットカード | クレジット | 高い普及率を誇り、日常の買い物から公共料金まで幅広く利用されている。海外ブランド対応で利便性が高い。 |
| Kakao Pay(カカオペイ) | QRコード決済 | 国民的アプリ「カカオトーク」と連携し、送金・投資・保険など多機能で手軽さが支持されている。 |
| T-moneyカード | 交通系ICカード | 交通機関利用者や観光客向けに広く普及。現金チャージが中心だが、アプリ連携やカードチャージも可能。 |
| NAMANEカード | プリペイドカード | デザイン性が高く若年層に人気。銀行口座不要でセルフ発行可能。 |
| WOWPASS | プリペイドカード | 空港や駅に設置された発券機で購入可能。旅行者向けに便利で、日本でも一部入手可能。 |
韓国では特にクレジットカードが圧倒的なシェアを持つ一方、Kakao PayなどのQRコード決済が急速に普及しており、多様な決済手段が日常生活を支えています。
Kakao Pay(カカオペイ)の特徴と利用状況
韓国でQRコード決済の代表格として広く普及しているのが、Kakao Pay(カカオペイ)です。
カカオペイは、韓国国内で圧倒的な利用者数を誇るメッセンジャーアプリ「KakaoTalk」と連携しており、スマートフォン1台でほぼ全ての決済が完結する利便性が魅力です。
具体的には、以下のような機能があります。
送金・決済:友人間送金や店舗での買い物、QRコードやバーコードの提示による支払いが可能
公共料金・光熱費支払い:水道・電気・ガスなどの公共料金をアプリ上で支払い可能
ポイント・クーポン・キャッシュバック:支払いに応じてポイントが貯まり、クーポンやキャッシュバックと連動
銀行口座不要でプリペイド利用可能:銀行口座がなくてもチャージして利用可能。幅広いユーザーが手軽に利用できる
訪日韓国人観光客にとっても、カカオペイは日常的に使い慣れた決済手段です。
空港や主要駅、観光地の免税店やコンビニではカカオペイに対応する店舗も増えており、韓国人観光客が日本国内でスムーズに支払いできる環境を整えることは、売上機会の確保や顧客満足度向上に直結します。
また、カカオペイと並んで広く使われているのがNaver Pay(ネイバーペイ)です。検索エンジンやショッピングサービスで知られる「Naver」と連携しており、オンラインショッピングやQRコード決済、ポイント管理など多機能なサービスが特徴です。
訪日韓国人観光客の中にも利用経験者がおり、Kakao Payと併せて日本国内でのQRコード決済対応を検討する際に参考となります。
訪日韓国人観光客向けにキャッシュレス対応が欠かせない理由

韓国は世界でもキャッシュレス決済の利用率が高く、訪日韓国人観光客も国内でクレジットカードやQRコード決済を日常的に利用しています。
そのため、日本の店舗がキャッシュレスに対応していないと、不便さや不満を感じさせてしまう可能性があります。
ここでは、訪日韓国人観光客に向けてキャッシュレス対応が必要な理由を解説します。
快適な決済環境を整える
訪日韓国人観光客は、クレジットカードやKakao Payなど母国で広く使われている決済手段を好んで利用します。
これらに対応していないと支払いがスムーズにできず、顧客体験を損ねる恐れがあります。快適な決済環境を整えることは、満足度向上につながります。
売上機会の損失を防ぐ
キャッシュレスに未対応の店舗では、支払い方法が限られることで購買を諦められるケースも少なくありません。
特に現金決済は会計時に時間がかかり、場合によっては顧客満足度の低下の要因になる可能性もあります。
結果として、売上機会の損失や競合店への流出につながるため、早急なキャッシュレス対応が重要です。
韓国人旅行客に対応したキャッシュレス決済導入のポイント

キャッシュレス決済の導入にはさまざまなメリットがある一方で、いくつか注意点もあります。
導入の際はメリットと注意点を正しく理解し、効果的な対応を進めることが大切です。
ここでは、訪日韓国人観光客に対応したキャッシュレス決済の導入ポイントを解説します。
国内店舗でのキャッシュレス対応例
訪日韓国人観光客向け対応としては、主要なクレジットカード決済の導入に加え、QRコード決済の導入が効果的です。
特に小規模店舗では初期費用を抑えながら導入できるQRコード決済が有効です。
こうした対応は、支払いのスムーズ化による顧客満足度の向上だけでなく、購買意欲を刺激し、口コミ拡大にもつながります。
キャッシュレス決済導入のメリット
訪日韓国人観光客向けにキャッシュレス決済を導入することで、来客対応の向上や会計の効率化、そしてリピーター獲得に直結します。
それぞれのポイントについて解説します。
顧客満足度の向上
顧客満足度の向上は、キャッシュレス決済の導入で期待される効果の一つです。
現金のやりとりに伴う手間が減り、スムーズな支払いが可能になることで、顧客のストレスを軽減できます。多様な決済手段が選べることで、利用者の利便性を高められることもメリットです。
また、端末やシステムの多言語対応も重要なポイントで、これらの対策により訪日韓国人観光客のニーズに応え、インバウンド消費を効果的に拡大できます。
リピーター獲得につながる顧客分析
キャッシュレス決済の導入は、顧客の購買データを収集・分析できるため、リピーター獲得施策に効果的です。
観光庁によると2023年の訪日リピーター割合は7割弱であり、訪日リピーターの国籍・地域別構成比は韓国が最も多く、次いで、台湾、香港、中国と東アジア4市場で約8割となっています。
加えて、訪日回数が増えるほど、消費額も増える傾向にあり、リピーターを意識した対応は、長期的な売上拡大に有効です。
会計業務の効率化
現金管理やお釣りのやり取りが減ることで、レジ対応時間が短縮され、店舗の混雑緩和やスタッフの負担軽減につながります。
さらに、決済データが自動記録されるため、売上管理や経理業務もスムーズになり、業務全体の効率アップとミス削減も期待できます。
加えて、複数の決済手段に対応しておくことは非常に有効です。たとえ特定の決済が通信不調やシステムトラブルで使えなくても、別の決済手段に切り替えられるため、販売機会を逃さず、会計もスムーズに進められます。店舗運営の安定性や顧客満足度向上の観点からも、複数決済対応は積極的に検討すべきポイントです。
キャッシュレス対応時の注意点
キャッシュレス決済を導入するにあたって、利用率と対応ブランドの選定に注意が必要です。
ここでは、それぞれの注意すべきポイントについて解説します。
利用率を高める工夫
訪日韓国人観光客のキャッシュレス決済利用率を高めるためには、対応ブランドを店舗内外でわかりやすく表示し、来店者がすぐに利用可能な決済方法を把握できるようにしましょう。
スタッフによる利用案内や、ポイント還元・割引などのインセンティブは利用促進に有効です。
ただし、利用者が少ない決済手段を増やしすぎると、管理コスト増につながる点には注意が必要です。
対応ブランドの選定
韓国ではスマートフォンの普及に伴い、QRコード決済の利用が急速に拡大しています。中でも Kakao Pay(カカオペイ) は国民的メッセンジャーアプリ「KakaoTalk」と連携した代表的なサービスで、日常生活に深く浸透しています。
公共料金の支払いから各種ローンの管理、ポイント還元やキャッシュバックプログラムまで、多彩な機能を一つのアプリで利用できるのが大きな特徴です。
一方、クレジットカードはVisa、Mastercard、American Expressが主流で、これらのブランドは訪日韓国人観光客の決済ニーズを満たします。
訪日韓国人観光客にとって使いやすい決済環境を整えることで、店舗の競争力強化につながります。
まとめ
訪日観光客の増加に伴い、キャッシュレス決済への対応は店舗経営における欠かせない課題となっています。
特に韓国ではキャッシュレス決済普及率が99%を超えており、クレジットカードやQRコード決済に対応することは、訪日韓国人観光客の利便性向上に直結します。店舗オーナーにとっては、韓国の事情を理解し、最適な決済ブランドを選定することが重要です。
こうした多様な訪日客への対応には、Alipay+に対応する「IntaPay」の活用が効果的です。
Alipay+はアジア圏を中心とした多国間キャッシュレス決済に対応しており、複数の国や地域のスマホ決済サービスを一つの仕組みでまとめて利用できます。さらに、Kakao Pay(カカオペイ)や Naver Pay(ネイバーペイ)にも対応しているため、訪日韓国人観光客のニーズにもスムーズに応えることが可能です。
【関連記事】Alipay+とは?訪日観光客に対する便利な決済機能と店舗での導入メリットを解説
このように「IntaPay」を導入することで、アジア各国からの訪日客に対応した決済環境を効率的に整え、店舗の集客力や顧客満足度の向上につなげることができます。
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