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承認送信事業者とは?利用検討中の免税店様必見!国税庁の免税電子化制度に応じて選び方とチェックポイント

訪日外国人観光客を対象とした免税販売は、国税庁による免税電子化により大きく変わりました。
2021年からすべての免税店において、電子的な購入記録の送信が義務化されています。
承認送信事業者は、免税店に代わって購入記録情報を国税庁へ電子的に送信することについて、国税庁長官または所轄の税務署長の承認を受けた事業者を指します。
これから免税販売を開始する店舗や、電子化未対応の事業者にとって、信頼できる承認送信事業者の選定は欠かせません。
この記事では、承認送信事業者の登録方法や要件、効率化までを詳しく紹介します。
承認送信事業者とは

承認送信事業者とは、免税店に代わって購入記録情報を国税庁へ電子的に送信できる、国税庁または所轄の税務署長の承認を受けた課税事業者です。
免税販売手続きの電子化に伴い設けられ、購入記録情報の作成や送信を効率化し、免税店の業務負担を軽減します。これにより、従来の手書き購入記録票の作成は不要となり、店舗はパスポート情報の読み取りや販売情報の電子送信を通じて迅速かつ正確な免税手続きが可能です。
また、2021年10月からは、全免税店で購入記録の電子送信が義務付けられたこともあり、承認送信事業者の必要性が高まっています。
承認送信事業者になるには?

承認送信事業者になるには、国税庁が定める要件を満たしたうえで、承認送信事業者として登記申請を行う必要があります。
ここでは、承認送信事業者の要件や登録方法を解説します。
承認送信事業者になるための要件
承認送信事業者となるための主な要件は以下のとおりです。
【承認要件】
現に国税の滞納(その徴収が著しく困難であるものに限ります。)がないこと。
輸出物品販売場の経営者と契約を締結し、購入記録情報を国税庁長官に提供するシステムや措置が整備されていること
過去3年以内に輸出物品販売場の許可や承認送信事業者承認の取消しを受けていないこと
その他、承認送信事業者として不適当と認められる事情がないこと
【購入記録情報提供のための契約要件】
輸出物品販売場を経営する事業者と承認送信事業者間で、購入記録情報の提供に関する契約が締結されていること
両者が必要な情報を共有するための措置を講じていること
出典:国税庁「承認送信事業者」
これらの要件を満たし、所轄の税務署長の承認を得ることにより、承認送信事業者になることができます。
承認送信事業者の登録の流れ
承認送信事業者の登録方法と申請の流れは以下の通りです。
【①事前準備】
国税の滞納、電子送信体制の整備、免税店との契約、申請書類の作成など、承認送信事業者の登録申請の要件を満たしているかを確認する。
【②申請書の作成と提出】
所轄の税務署に対して申請書と添付書類を揃えて申請する。
【③審査と承認】
税務署で審査が行われ、基準を満たす場合は承認が下りる。
【④販売場識別符号の付与】
承認後、各販売場に対して販売場識別符号が付与され、購入記録情報の電子送信が正式に可能となる。
販売場識別符号が付与された後は、承認送信事業者として国税庁への電子送信が始まり、購入記録情報は適切に保存・管理します。
承認送信事業者の申請に必要な書類
承認送信事業者の承認申請手続きは、消費税の課税事業者である申請者が「承認送信事業者承認申請書」を作成し、所轄の税務署長に提出して行います。
申請書には以下の事項を記載します。
申請者の氏名または名称(代表者氏名を含む)
納税地
法人番号(法人番号がない場合は輸出物品販売場を経営する事業者の名称と納税地)
申請者の電子メールアドレス
その他参考となる事項
また、添付書類として以下が必要です。
| 必要書類 | 詳細 |
| 購入記録情報を提供するための電子計算機やプログラムの概要 | 送信機器の操作要領、プログラムの仕様、システムマニュアル等 |
| 購入記録情報の提供に関する事務手続きの概要 | 契約先への手続きマニュアル、提供に関するマニュアル等 |
| 申請者の事業内容確認資料 | 会社案内やホームページの掲載情報など |
| 輸出物品販売場を経営する事業者との契約に関する書類 | 契約書の雛形など |
参考:国税庁「問105承認送信事業者の承認申請手続について教えてください。」
申請後、所轄税務署長による審査を経て承認されると、識別符号の通知があり、電子証明書の発行手続きが可能になります。
承認送信事業者になるハードルは高い
免税対応には自社でソフトウェアや高度なセキュリティ対策が必要で、承認送信事業者になるにはハードルが高いです。
システム開発やセキュリティ管理など専門的な技術やコストが求められるため、多くの中小規模店舗や事業者は、承認事業者資格を持つ外部のシステム提供者を利用しています。
その点、外部サービスなら初期費用や運用負担を抑えつつ、国税庁への電子送信をスムーズに行うことができます。
したがって、免税販売の電子化に対応するなら、実務負担の軽減やコスト効率を考慮し、外部承認送信事業者の活用がおすすめです。
承認送信事業者が国税庁に送信する購入記録情報の内容と提供の流れ

承認送信事業者は、免税店と契約を結び、訪日外国人観光客との免税取引発生時に発生する購入記録情報を電子的に国税庁へ提供します。
大まかな流れは、免税店から取引情報を受け取り、承認送信事業者がデータの集約・編集を行い、所轄税務署長の承認を受けた識別符号を付与した上で国税庁に送信します。
以下は国税庁に送信する購入記録情報の項目と内容です。
| 項目 | 内容説明 |
| ヘッダ情報 | 送信日時、承認送信事業者識別符号、データ種別など管理情報 |
| 旅券等情報 | 購入者の旅券番号、発行国、入国日など本人確認に必要な情報 |
| 販売場情報 | 免税店の名称、住所、識別符号など販売場所の特定情報 |
| 物品情報 | 購入品目の名称、数量、単価、免税対象金額など商品の詳細 |
| 取引情報 | 取引日時、支払方法、取引番号など各取引に付随する情報 |
| その他 | 販売者の連絡先情報、担当者名、契約に関する情報など補足的な情報 |
参考:国税庁「購入記録情報の記録事項 問43 購入記録情報として提供する事項について、具体的に教えてください。」
これらの情報は、国税庁の免税販売管理システムに送信され、免税取引の正確な管理と税務監査の基礎データとして活用されます。
さらに承認送信事業者は保存義務期間中に記録を保管し、不正防止や正確な税務処理を支援する重要な役割も担っています。
リファンド方式で知っておくべき承認送信事業者の対応と役割

2026年11月に導入予定のリファンド方式は、消費税を含む価格で免税商品を販売し、出国時に税関で持ち出し確認が行われた後に、消費税相当額を還付する仕組みです。
この方式は不正防止と制度の透明性向上を図り、従来の購入時免税制度と比べて大きく制度が変わります。
承認送信事業者は購入記録情報の国税庁への送信に加え、税関確認情報の管理や通知を行う役割を担う予定となっています。税関の還付承認情報を免税店へ伝達し、確認済みデータを国税庁に報告する双方向連携型の仕組みが重要です。
また、データ送信のエラー検知や遅延防止機能を強化し、還付手続きの円滑な実施を支援する必要もあります。
【関連記事】【令和8年11月】新免税制度(リファンド方式)とは?変更点やシステム対応の注意点を解説
承認送信事業者を選ぶポイント

承認送信事業者の選定においては、「データの一元管理」に加えて「資金処理能力」も重要です。
免税制度の改定に伴い、販売時点では免税ではなく課税となり、免税対象に関わらず消費税をいったん受け取る形になります。そして出国後に消費税相当額を返金する仕組みです。
免税制度の改定によって免税販売データの電子化が進む一方、還付金の管理や送金プロセスはより複雑化します。この結果、「電子データ処理」と「資金処理」が分断されている体制では、業務負荷の増大や処理遅延のリスクが高まります。
そのため、承認送信事業者としての電子データ送受信・保存機能に加え、資金移動業者としての還付金処理・送金機能を両方兼ね備えた企業を選ぶことが有効です。
両機能を統合することで、免税販売時の電子データ作成から還付手続き完了までの全工程をワンストップで完結させることが可能となります。
そして、バックオフィス業務の大幅な効率化と管理コストの削減を実現できます。
免税システム導入前のチェックポイント

2026年11月からのリファンド方式の導入を控える中、免税システム選びは企業の業務効率と法令遵守に直結します。
リファンド方式では、税関との情報連携や事後的な資金処理が新たな運用負荷となります。
このリスクを最小化するためにも、システムを導入する前に、以下の重要なポイントをチェックしましょう。
| チェック項目 | 詳細 |
| 承認送信事業者資格 | ベンダーが国税庁の承認を取得済みか? |
| 新制度(リファンド方式)対応 | 2026年11月以降のリファンド方式に対応可能か? |
| 資金処理能力 | 資金移動業者との連携により、還付金処理・送金まで一元管理できるか? |
| 既存システム連携 | POSや会計システムとのデータ連携はスムーズか? |
| セキュリティ | パスポート情報などの機密データの保管・送信セキュリティは万全か? |
| コスト透明性 | 初期費用、月額費用、変動費などトータルコストは明確か? |
| サポート体制 | 税務手続きやシステムトラブル時の専門的サポートがあるか? |
重要なのは、国税庁の要件を完全に満たしているかという点です。
特に承認送信事業者資格の有無や新制度(リファンド方式)への対応については必ずチェックしておきましょう。
新制度への対応ならInTaxFree免税リファンドシステム

インタセクト・コミュニケーションズ株式会社が提供する「InTaxFree免税リファンドシステム」は、複雑化する免税制度改正に完全に対応した、次世代型の免税電子化システムです。
弊社は、国税庁の承認を受けた「承認送信事業者」の資格を既に取得済みです。これにより、新制度に即した正確かつ安全な購入記録情報の電子送信を保証いたします。
免税制度の改定では、電子データ処理と還付金処理の一体化が不可欠です。
当システムは、この課題を解決するため、電子データ処理機能に加え、新制度で重要となる還付金処理を代行する機能を提供する予定です。
これにより、店舗様は免税販売時の電子データ作成から還付手続き完了までの全工程をワンストップで完結できるように努めます。
さらにバックオフィス業務の大幅な効率化と資金管理リスクの軽減を実現し、手間のかからないスムーズな免税サービスを提供することで、お客様満足度の向上にも貢献します。
まとめ
訪日外国人観光客向けの免税販売は、国税庁による免税電子化の義務化と、2026年11月導入予定のリファンド方式により、システム対応が不可欠となりました。
承認送信事業者の選定においては、従来の電子データ処理と資金処理の分断が、新制度下での業務負荷増大やリスクを生むため、一元管理と資金処理能力が重要です。
そのため、承認送信事業者の選定においては、データ送信・保存機能に加え、還付金処理・送金機能を両立できるサービスを選ぶことがポイントになります。
導入前には、国税庁の資格取得状況や新制度への対応力を必ずチェックしましょう。
この複雑な課題を解決するのが、インタセクト・コミュニケーションズ株式会社の「InTaxFree免税リファンドシステム」です。
国税庁の承認を受けた承認送信事業者の資格を取得し、法令遵守を保証します。さらに当システムは、電子データ処理機能と還付金処理代行機能を統合し、店舗様は免税販売から還付手続き完了までの全工程をワンストップで完結する予定です。
バックオフィス業務の自動化とデジタル化により、業務効率を飛躍的に向上させ、資金管理のリスクも大幅に軽減できます。これにより、煩雑な手作業やミスが減少し、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事は執筆時点の情報に基づいています。最新の制度改正や詳細については、必ず公式情報をご確認ください。
