QRコード決済の導入方法を比較！単体導入と一括導入（決済代行経由）との違いは？

QRコード決済は、今や店舗運営に欠かせないキャッシュレス決済手段です。

しかし、導入方法には「単体導入」と「決済代行会社経由の一括導入」の方法があり、どちらを選ぶかで店舗運営の効率が大きく変わります。

店舗の規模や運営方針により最適な導入方法が異なるため、メリット・デメリットを踏まえた比較検討が欠かせません。

この記事では、単体導入と一括導入それぞれの導入の流れ、具体的なメリット・デメリットを比較し、選び方をわかりやすく紹介します。

1.QRコード決済の単体導入（直接契約）とは
- ┗ QRコード決済の単体導入の概要
- ┗ 単体導入の流れ
- ┗ 単体導入における店舗のメリット
- ┗ 単体導入における店舗のデメリット
2.QRコード決済の決済代行会社を経由した一括導入とは
- ┗ QRコード決済の一括導入の概要
- ┗ 代行会社の種類
- ┗ 一括導入における店舗のメリット
- ┗ 一括導入における店舗のデメリット
3.単体導入と決済代行会社を経由した一括導入の違いを比較
4.QRコード決済は一括導入がおすすめ
- ┗ 複数ブランドをワンストップで管理して業務効率を最大化
- ┗ 海外QRコード決済対応でインバウンド集客と顧客満足度アップ
- ┗ セキュリティ・サポート対応で信頼できるQRコード決済運用
5.IntaPayを利用した導入フロー
6.まとめ

QRコード決済の単体導入（直接契約）とは

単体導入とは、店舗がPayPayやd払い、楽天Payなどの各QRコード決済ブランドと個別に契約を結ぶ方式です。

初期費用や手数料が抑えられる可能性がある反面、運用が複雑になりやすい特徴があります。

ここでは、QRコード決済の単体導入について詳しく解説します。

QRコード決済の単体導入の概要

単体導入は、特定のQRコード決済ブランドと店舗が直接、個別に利用契約を結ぶ導入形態です。

この方式の最大の特徴は、決済代行会社を介さないため、手数料が安い点にあります。

しかし、導入したいブランドが増えるほど、店舗側の業務負担も増大します。

たとえば、PayPayとd払いの両方を導入する場合、店舗はそれぞれの運営会社に個別に申し込みをし、審査に通過しなければなりません。さらに、審査後はブランドごとに異なる契約書、入金サイクル、そして専用の管理画面を持つことになります。

複数の決済手段を導入する現代においては、管理負担が増えやすく、経理処理やレジ締め作業が煩雑になります。

スタッフのオペレーションミスや、経理担当者の売上照合作業の工数が増えることも課題です。

単体導入の流れ

単体導入は、ブランドごとに以下のステップを個別に行う流れとなります。

【申し込み】

導入したいQRコード決済ブランドの公式サイトから、店舗情報や必要書類を提出して個別に利用を申し込み。

【審査】

各ブランド運営会社が、個別に店舗の業態や財務状況などを審査。この審査期間はブランドによって異なる。

【導入キット受領・設置】

審査通過後、各ブランドからQRコードが印字されたPOP（ステッカー）や決済用端末が送付される。店舗はこれらをレジ周りに設置。

【運用開始】

スタッフ教育を行い、顧客へのサービス提供を開始。

ブランドの数が増えるほど、申し込みや審査、管理業務も多く発生し、レジ周りの管理も複雑化します。

管理が分散することで経理処理や売上照合の負担も増大するため、効率的な運用を考える際は注意が必要です。

単体導入における店舗のメリット

QRコード決済の単体導入のメリットは以下の通りです。

決済代行会社を介さないため、手数料が比較的低く抑えられる
店舗が直接ブランドと契約するため、条件交渉やキャンペーン活用がしやすい
初期導入費用を抑えやすく、スマホやタブレットだけで手軽に始められる場合が多い
ブランド独自のポイントサービスやキャンペーンの恩恵を受けやすい

仮に、d払いのみ導入したい場合は、d払いの公式サイトから直接契約を行い、d払い単体で利用を開始できます。

この場合、決済代行会社を介さないため手数料が抑えられ、導入もスムーズです。

単体導入における店舗のデメリット

QRコード決済を単体導入する店舗のデメリットは以下の通りです。

複数ブランドを導入すると、契約や管理が分散し業務負担が増える
各ブランドごとにQRコードの設置や管理が必要で、運用コストがかさむ可能性がある
売上入金までにタイムラグがあり、資金繰りに影響する場合がある
店舗が用意したQRコードのすり替えや偽造など、セキュリティリスクがある
審査やサポートがブランドごとに異なり、トラブル時の対応が煩雑になる

これらのデメリットやリスクを理解し、店舗の運営体制や規模に応じて適切な導入方法を選ぶことが重要です。

安全性や管理の効率化にも注意する必要があります。

QRコード決済の決済代行会社を経由した一括導入とは

QRコード決済の一括導入は、複数のQRコード決済ブランドを一括で導入できる仕組みです。

決済代行会社が契約・管理をまとめて行い、店舗は一度の契約で主要なブランドを利用可能になります。

ここでは、QRコード決済の決済代行会社を経由した一括導入について解説します。

QRコード決済の一括導入の概要

QRコード決済の一括導入とは、複数の決済ブランドと個別に契約せずに、決済代行会社を通じて一括で契約・管理を行う仕組みです。

取引ごとに店舗⇔決済代行会社⇔各QRブランド間で認可と接続が行われ、これによりシームレスな取引と管理が実現できます。

店舗は複数ブランドの導入に関わる契約や管理の手間を大幅に削減でき、売上管理や入金の確認も一元化されるため運用負担が軽減されます。

また、国内外の主要ブランドへの対応がスムーズになり、特に訪日外国人客の利用が多い店舗にとっては、インバウンド対応強化につながる点も魅力です。

インバウンド対応や店舗運営の効率化を実現できる導入方法として注目されています。

代行会社の種類

決済代行会社は主に2種類に分類されます。

一つは決済処理のシステムのみを提供し、契約や入金管理は店舗が直接行うタイプです。この場合、店舗は個別のブランドとの契約や審査を自身で対応しなければならず、手間がかかります。

もう一つは、契約手続きから入金管理まで決済代行会社が一括して対応し、店舗の負担を大幅に軽減できるタイプです。

こちらでは複数ブランドとの契約や、売上データ、入金情報の管理も代行会社がまとめて行うため、経理やオペレーションの効率化が期待されます。

ただし、代行会社によって対応しているブランド数、サポート体制、導入支援の内容が異なるため、店舗のニーズに合った最適なサービスを選ぶことが重要です。

一括導入における店舗のメリット

一括導入における店舗のメリットは以下の通りです。

複数ブランドの契約や管理が一元化され、運用負担が大幅に軽減される
売上データや入金情報をまとめて管理でき、経理処理の効率化につながる
導入や運用にかかる手間やコストを抑えられるケースが多い
国内外の主要ブランドにまとめて対応でき、インバウンド対策が容易になる
高いセキュリティ基準や定期的なメンテナンスにより安全性が確保される
店舗スタッフの教育や問い合わせ対応などのサポートが受けられる

QRコード決済の導入にあたって、一括導入は店舗はより効率的かつ安全な決済環境を構築できます。

ただし、サポート体制や対応しているQRコードブランドは業者ごとに異なるため、事前に確認しておく必要があります。

一括導入における店舗のデメリット

一括導入における店舗のデメリットは以下の通りです。

決済代行会社の手数料が単体契約に比べて高くなる場合がある
一部ブランドのキャンペーンや特典が利用できないことがある
代行会社を通すため、ブランドと直接交渉や契約内容の調整が難しい
トラブルが発生した場合、代行会社とブランド間の調整に時間がかかることがある
入金サイクルや手数料がブランドごとに異なり、管理が複雑になる可能性がある

デメリットもあるものの、適切な決済代行会社を選び運用体制を整えることで多くの課題は解消可能です。

また、手数料の面でも、導入規模や取引量に応じた柔軟なプランが用意されているケースが増えています。

単体導入と決済代行会社を経由した一括導入の違いを比較

以下の表に、単体導入と一括導入の違いについて比較しています。

比較項目	単体導入	一括導入
契約形態	各ブランドと個別契約	決済代行会社と一括契約
手数料	比較的低い（中間マージンなし）	若干高くなる場合あり
契約・管理の手間	複数ブランド導入時に増加	一元管理で手間が大幅軽減
入金管理	ブランドごとに確認が必要	一括管理で経理効率が向上
インバウンド対応	各ブランド導入が必要	主要な国内外ブランドを一括対応可能
キャンペーン適用	ブランド独自の特典を活用しやすい	特典が利用できないこともある
サポート体制	ブランドごとに異なる	決済代行会社のサポートを一括で受けられる

単体導入と一括導入は、それぞれ異なるメリットとデメリットがあり、どちらが最適かは店舗の規模やニーズによって異なります。

単体導入は初期費用が抑えられ、契約やキャンペーンの交渉を直接行えるため、コストを重視する小規模店舗に向いています。

一方、一括導入は複数ブランドを一元管理でき、運用負担の軽減やインバウンド対策が強みです。

導入後の運用も考慮し、店舗に最も適した方法を選ぶことが重要です。

QRコード決済は一括導入がおすすめ

QRコード決済は一括導入がおすすめです。

ここでは、一括導入が選ばれる理由について3つ紹介します。

複数ブランドをワンストップで管理して業務効率を最大化 

QRコード決済の一括導入により、複数ブランドをワンストップで管理でき、店舗の業務効率が大幅に向上します。

複数のQRコード決済サービスを別々に管理する必要がなくなり、煩雑なオペレーションが軽減され、スタッフの負担も軽減します。

さらに、売上情報や入金データは管理画面で自動的に統合されるため、経理や会計処理も効率化され、ミスの軽減につなげることも可能です。

これにより、店舗は本来の接客やサービスに専念でき、運営の質を高めることができます。特に多店舗展開をしている場合や、スタッフの入れ替わりが多い店舗では、大きな効果を発揮します。

海外QRコード決済対応でインバウンド集客と顧客満足度アップ

QRコード決済の一括導入で、海外の主要なQRコード決済に対応することにより、インバウンド集客と顧客満足度アップにつながります。

たとえば、Alipay+、WeChatPay、JKOPAYなどに一括対応することで、アジア圏からの訪日外国人観光客への対応が容易になります。

また、日本ではキャッシュレス決済の普及率が低いため、海外で主流の決済手段を導入することは競合店との差別化にも効果的です。

セキュリティ・サポート対応で信頼できるQRコード決済運用

一括導入におけるQRコード決済のセキュリティレベルは、金融機関レベルの高い基準に基づき運用されている場合が多いです。

決済情報の暗号化や二段階認証、不正検知システムなどの対策により、安全かつ安心して使用できる環境が整備されています。

また、国際的なセキュリティ基準であるPCIDSSに準拠したシステムを提供する代行会社であれば、事業者は自社で顧客のカード情報を保持する必要がなく、情報漏洩のリスクを大幅に軽減可能です。

ただし、代行会社によってセキュリティ対策の充実度には差があるため、導入時には対応状況や実績をよく確認することが重要です。

信頼性の高い代行会社を選ぶことで、トラブルや不正利用のリスクを最小限に抑えることができます。

IntaPayを利用した導入フロー

QRコード決済の一括導入なら、国内外の主要なQRコード決済ブランドに対応する「IntaPay（インタペイ）」がおすすめです。

IntaPayは、国内のPayPayや楽天ペイ、d払いだけでなく、海外のWeChatPay、Alipay+、JKOPAY、銀聯QRなど多彩な決済に一括対応可能なマルチ決済システムです。

レジや券売機、自動精算機などあらゆるシーンで利用でき、QRコードを自動判別することで店舗のオペレーション負担を軽減します。

以下はIntaPayを利用した場合の導入フローです。

公式サイトの申し込みフォームから必要情報を入力して申し込み
加盟店審査が行われ、複数ブランドをまとめて審査可能
審査合格後、メールの内容に基づきスマートフォンやタブレットに専用アプリ「IntaPay」をダウンロードし、初期設定を行う（※POSや券売機への搭載、またオンライン決済導入支援も可能）
導入準備が整い次第、IntaPayから提供される販促物を店舗に設置
利用開始

なお、IntaPayの管理画面では売上・入金データをリアルタイムで確認でき、複数店舗展開している法人でも階層的に管理できます。