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DX時代に進化し続けるキャッシュレス決済!自治体や商業施設での導入事例を紹介
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを革新し、顧客価値や組織の競争力を高める取り組みを指します。
日本でもその動きは加速しており、特にキャッシュレス決済の普及は、DX推進における重要な手段のひとつとなっています。キャッシュレス決済は、その利便性の高さだけでなく、利用データを活用したマーケティングや業務改善の可能性から、自治体、商業施設、観光地、交通機関など、さまざまな現場で導入が進んでいます。
この記事では、DXとキャッシュレス決済の関係を整理するとともに、自治体や商業施設、中小企業などでの具体的なDX推進事例を紹介します。
DXとキャッシュレス決済の関係性
キャッシュレス決済は、自治体や企業におけるDXを加速する有効な手段です。
現金取引では得られない決済データや顧客属性情報を自動で収集・蓄積・分析することで、顧客層の可視化からマーケティング戦略の高度化、さらには業務プロセス全体の最適化につなげることができます。
経済産業省によると、日本のキャッシュレス決済比率はすでに政府が掲げていた「2025年までに40%」という目標を達成しており、今後は80%達成を目指してさらなるインフラ整備が進められています。(出典元:経済産業省|2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました)
この国家戦略は、公金収納のキャッシュレス化など行政サービスのデジタル化を強力に後押ししており、社会全体のDXを牽引しています。
さらに、インボイス制度の導入や電子帳簿保存法の改正(令和4年施行)など、企業や自治体における業務のデジタル対応を求める法改正が続く中、キャッシュレス決済と組み合わせることで、支払い業務の効率化や取引の透明性向上が期待されています。
自治体DXにおけるキャッシュレス決済の導入事例
地方自治体がデジタル技術で行政サービスを効率化する「自治体DX」の推進により、各地域で住民の利便性が向上しています。
ここでは、自治体DXの推進において、キャッシュレス決済を導入した具体的な事例を紹介します。
指定納付受託者制度の施行(全国・令和4年1月~)
令和4年1月から全国でスタートした「指定納付受託者制度」により、住民票交付手数料や保育料など、各種行政手数料をスマホアプリやWEB画面からキャッシュレス決済で納付できるようになりました。
取扱項目は自治体によって異なりますが、以下のような手数料・申請料の決済に対応しています。
住民票交付手数料
印鑑登録証明書交付手数料
戸籍証明(謄本・抄本)発行手数料
保育料/幼稚園利用料
介護保険料
国民健康保険料
後期高齢者医療保険料
市県民税(普通徴収)
固定資産税(償却資産含む)
軽自動車税
水道使用料
下水道使用料
ごみ処理手数料
都市計画税
自治体側では、決済事業者から送付される入金データを自動で取り込めるため、窓口業務や照合作業の負担軽減につながります。
収納率が向上するだけではなく、職員がより付加価値の高い業務に専念できる環境整備にも貢献しています。
出典元:自治体DX推進参考事例集【第3.0版】(令和7年6月26日改訂)資料No.3-28 ・53〜55、指定納付受託者制度の活用状況等に関する調査結果 P.1〜5
24時間対応のキャッシュレス支払いにより住民サービスを向上
関西圏のある自治体では市民からの要望に応える形で、市役所窓口に24時間キャッシュレス決済での納付が可能な環境を整備しました。
これにより、住民が外出先や夜間でも、QRコード決済や交通系ICカード、クレジットでの支払いが可能となり、窓口での現金両替や長い行列を待つ必要がなくなりました。
この事例では、戸籍証明書など20種類以上の行政手続きに対応しており、利用可能なキャッシュレス決済サービスは25種類にも及びます。
24時間利用できるサービスを通じて支払い方法の選択肢が広がり、結果的に住民の利便性向上と納期内納付の促進につながっています。
出典元:自治体DX推進参考事例集【第3.0版】【1.体制整備(令和7年6月26日改訂版)資料No.3-28〜30
キャッシュレス決済×セミセルフレジで窓口業務を効率化
都内のある自治体では、窓口での現金授受をゼロに近づけるため、キャッシュレス決済とセミセルフレジを組み合わせた運用を開始しました。
これにより、年間10万件以上の窓口での接触対応を削減し、住民一人あたりの滞在時間を1〜2分短縮することに成功しました。さらに、手数料調定業務を月1回に集約することで、1日あたり約30分の作業時間削減と、現金取り扱いミスの大幅な減少も実現しています。
住民からは、「キャッシュレスで便利」「非接触で安心」といった好意的な声が多く、業務の効率化と感染症対策を同時に実現した成功事例です。
参考元:自治体DX推進参考事例集【第3.0版】【1.体制整備(令和7年6月26日改訂版)P.3-53〜55
【商店街・中小事業者】キャッシュレス決済導入によるDX推進事例
商店街や中小規模の店舗では、キャッシュレス決済の導入やPOSシステムとの連携、蓄積したデータの活用がDX推進に大きく貢献しています。
以下に、3つのDX推進事例を紹介します。
POS連携による会計業務の効率化
キャッシュレス決済とPOSシステムの連携は、アナログな会計業務を効率化し、DXを大きく推進します。
例えば、従来型レジで発生していた現金管理における金額の間違いや、釣銭準備の負担を軽減し、業務効率化と人的ミスを削減することが可能です。
他にも、POSレジの導入で集計作業が大きく効率化されたほか、セミセルフレジの導入により従業員の心理的負担も軽減されるなど、さまざまな効果が見られます。
また、現金の受け渡しがない非接触型の支払いは、感染症対策としても有効で、顧客に安心感を与えるでしょう。
POSレジの導入による会計業務の効率化は、顧客の待ち時間短縮や店舗の回転率向上につながり、顧客満足度の向上も期待できます。
決済データの蓄積・分析・活用
キャッシュレス決済の導入により、現金決済では得られない膨大な決済データや顧客属性情報を自動的に記録・蓄積できます。
売上、顧客、在庫、決済といった各種データの分析・活用は、企業にとってDX推進の重要な要素となります。
例えば、蓄積されたキャッシュレス決済データを統計化し、顧客層を詳細に把握することで、マーケティングの課題解決に最適な施策を実施することができます。
これにより、商品開発や在庫管理、顧客へのパーソナルな広告宣伝など、多角的な経営戦略の改善が可能となり、新たな商品・サービスの創出や新規顧客の開拓にもつながります。
顧客・来街者行動の可視化
デジタル技術とキャッシュレス決済を組み合わせれば、顧客や来街者の行動を可視化し、マーケティングやサービス改善に活かすことができます。
例えば、東京都のある商店街では、デジタルスタンプラリーと位置情報を取得できる端末(ビーコン)を連携させると同時に、キャッシュレス決済システムも導入。性別・年代・居住地に加え、「誰が、いつ、どこを訪れたか」をリアルタイムで可視化することで、従来の現金レジでは把握できなかった行動データの一元管理を実現しました。
さらに、POS連携で商品カテゴリ別売上とキャッシュレス決済履歴を掛け合わせて分析し、顧客の潜在ニーズを数値化。この分析結果は、新サービスの開発や店舗配置の最適化など、具体的なDX施策を後押ししています。その結果、限られた人員でも効率的な店舗運営が可能となり、好循環を生み出しています。
【観光・交通】キャッシュレス決済導入によるDX推進事例
観光地や交通機関におけるDX推進では、インバウンド対応の強化や顧客体験の向上、MaaSとの連携による利便性向上という3つの視点が鍵となります。
以下に、3つのDX推進事例を紹介します。
インバウンド対応の強化
主要な観光地や交通機関でのキャッシュレス決済導入は、訪日観光客の受け入れ強化に直結します。
例えば、WeChat PayやAlipayなど外国人観光客に人気の決済手段は、接客と会計業務の効率化と利便性向上に大きく貢献します。また、専用アプリによる事前決済機能を活用すれば、人気の飲食店や土産店での待ち時間削減にもつながります。
最近では、大阪・関西万博の会場でキャッシュレス決済が全面導入されました。クレジットカードやQRコード決済、電子マネー、専用プリペイドなどに対応し、多言語対応も含めて、スムーズな購買体験が提供されています。
【関連記事】QRコード決済をインバウンド対応に!韓国、中国、台湾での利用者事情と対策
顧客体験の向上
キャッシュレス決済は、現金の受け渡しやレジでの待ち時間を削減し、顧客のストレス軽減と満足度の向上を実現します。
例えば、専用アプリを活用することで、鉄道乗車券や観光施設のチケット購入がQRコード決済で完結します。これにより、列に並ぶ必要がなくなり、スムーズな利用体験を実現します。
飲食店では、モバイルオーダーを導入することで、来店前に注文・決済を完了できるため、現場スタッフの対応負担が軽減されます。これにより、接客の質やスピードが向上し、業務の効率化やDXの推進にもつながります。
さらに近年では、入店時にQRコードをかざし、商品を選んでそのまま退店するだけで決済が完了するレジレス店舗も増加中しています。
こうした事例は、観光施設や交通機関などにおける省人化とスピーディな購買体験の実現を後押ししており、キャッシュレス決済がDXを加速する有効な手段であることを示しています。
【関連記事】QRコード決済の種類と導入ガイド!店舗に最適な決済ブランドの選定ポイント
MaaSとの連携による利便性向上
MaaS(Mobility as a Service)とは、電車・バス・タクシーなど複数の交通手段を一つのアプリで検索・予約・決済まで完結できるサービスです。
このMaaSとキャッシュレス決済を連携させることで、移動体験の質が向上し、観光や通勤など多様なニーズに対応できます。
【MaaSと連携可能なキャッシュレス決済の例】
決済手段 | 代表的なブランド | 特徴 |
---|---|---|
電子マネー | Suica、PASMO、WAON、nanacoなど | 事前チャージで非接触支払いが可能。交通機関からコンビニまで幅広く使用でき、乗り換えもスムーズ。 |
QRコード決済 | PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、WeChat Pay、Alipayなど | 専用アプリでコードを読み取るだけで決済完了。小規模事業者でも導入しやすく、インバウンド対応にも効果的。 |
クレジット/デビットカード | Visa、Mastercard、JCB、J-Debitなど | 後払い・即時払いを選択でき、オンライン予約や高額チケット決済にも適した決済。 |
モバイルオーダー/レジレス決済 | スターバックス、ケンタッキー、マクドナルド、丸亀製麺、すき家など | 事前の注文・決済で店舗での待ち時間を削減。飲食店でのオーダー、観光施設での商品購入がシームレスに。 |
これらの多様なキャッシュレス手段をMaaSアプリに統合すれば、乗り継ぎの手間や観光中の決済ストレスを軽減できます。
結果として、交通・観光分野でのDXを一層加速し、訪日観光客にも地元住民にも快適な移動体験を提供できます。
DX推進に向けたキャッシュレス決済導入のポイント
自治体や店舗におけるキャッシュレス化は、業務効率化や顧客満足度の向上、データ活用による運営の最適化を後押しします。
ここでは、DX推進を目的としたキャッシュレス決済の導入を成功させるためのポイントを解説します。
ガバナンス体制の構築
キャッシュレス決済導入を成功させるためには、明確なガバナンス体制が不可欠です。
「誰が、何を、いつまでに進めるのか」を明確にし、プロジェクトの責任者や担当者を任命することで、導入プロセスの進捗管理がスムーズになります。
また、キャッシュレス利用率などのKPI(重要業績評価指標)を設定し、部門や部署を横断した協力体制を築くことが、全社的なDX推進につながります。
顧客が求める決済方法への対応
顧客の多様なニーズに応えるためには、クレジットカード、QRコード決済、電子マネーなど、さまざまな決済手段に対応したマルチ決済サービスの導入が重要です。
特にインバウンド客への対応には、多言語対応の決済サービスやサポート体制が求められます。
例えば、訪日中国人観光客のニーズに応えたい場合、中国本土で需要の高いQRコード決済「WeChat Pay」や「Alipay+」などへの対応が、幅広い顧客層の利便性を高め、集客力を向上させます。
店舗・施設の業務に合ったサービスの選定
キャッシュレス決済の導入方法は、有人窓口(レジ)、スマホ・タブレット、専用決済端末、無人券売機など多岐にわたります。
そこで、店舗や施設の業務形態に応じて、必要な決済方法に対応できるサービスを選定することが重要です。
業務フローに適したキャッシュレス決済であれば、現場スタッフの負担を減らし、日々の業務の効率化が期待できます。
既存システムとのスムーズな連携
キャッシュレス決済サービスを導入する際、既存のPOSレジや会計システムとの連携性を確認しておくことが重要です。
システムと連携できれば、売上・在庫・顧客属性・決済データを一元的に管理できます。これにより、売上データの自動集計や在庫管理の最適化も図れるため、経営判断の迅速化にもつながります。
セキュリティ・法令対応
キャッシュレス決済の導入にあたっては、運用ルールやマニュアルの策定、スタッフへの教育が重要です。
アクセス権限の管理やデータ暗号化など、セキュリティ対策を徹底し、個人情報や取引データの漏洩リスクを最小限に抑える必要があります。
また、個人情報保護法や資金決済法などの国内法令や関連ガイドラインに準拠した体制づくりが求められます。キャッシュレス決済事業者や関連ベンダーとの契約時には、情報管理体制や第三認証の有無、監査対応の有無なども事前に確認しましょう。
キャッシュレス決済データの一元管理と活用
店舗・施設では、キャッシュレス決済システムやPOSシステムに蓄積されたデータから、顧客の購買履歴や来店頻度、利用金額などを集計・分析することが可能です。
例えば、特定の時間帯や曜日に売上が集中している場合、その傾向をもとにタイムセールやポイントキャンペーンを実施することで、さらなる集客や売上アップが期待できます。
また、顧客ごとの購買傾向をもとに、最適なタイミングでクーポン配布やリピーター向け特典を提供するなど、パーソナライズされたマーケティング施策を展開できます。
さらに、売上分析や在庫管理の効率化、商品ラインナップの最適化など、店舗運営全体の改善にも役立ちます。
自治体や店舗の業務DXをサポートするマルチQRコード決済アプリ「IntaPay」
キャッシュレス決済の導入を起点としたDX推進では、店舗や施設の業態と親和性の高いサービスの選定が成功の鍵を握ります。
「インタセクト・コミュニケーションズ株式会社」が提供する「IntaPay(インタペイ)」は、自治体から多種多様な業種の店舗まで、DX推進を強力サポートするマルチQRコード決済アプリです。
月額費用0円で、国内・海外で主要なQRコード決済ブランドを一括導入できます。
導入方法も、スマホ/タブレット型、POS連携、決済端末型、ステッカー型、券売機、ECサイトと多様な選択肢があり、幅広い業界で導入実績があります。
一つのシステムで、企業全体・店舗ごと・決済ブランドごとの売上状況を可視化し、さらに分析機能も提供してDXをサポートします。
▶マルチQRコード決済アプリ「IntaPay」の魅力的な機能は導入メリットを紹介
まとめ
キャッシュレス決済は、単なる支払い手段を超えて、デジタル化を推進するDXの起点となります。
行政サービスでは、24時間いつでも納付可能な環境を整備し、商店街や観光施設では、POS連携やMaaSとの連携で顧客体験を向上させています。
今後は、キャッシュレス決済システムで蓄積したデータの有効活用と、多様なチャネルに適応可能な導入スキームを用意することが重要なテーマとなるでしょう。
「IntaPay」は、QRコード決済と既存のPOSシステムを連携し、自治体から小売店舗、観光施設まで幅広くDXをサポートするマルチQRコード決済アプリです。
国内外の主要決済ブランドの一括導入と決済データの一元管理で、店舗・施設の運営を効率化します。
ぜひこの機会に「IntaPay」をDX推進に活用されてみてはいかがでしょうか。